脱炭素社会における様々な機械材料の経年劣化に対する理解を深めるために、当研究室では最先端のナノ解析技術を活用し、高温環境下における構造特性をマルチスケールで探求する。最先端のその場観察および試験手法を駆使し、材料破壊プロセスを機械論的に解明・可視化することで、現行の最先端技術を超える研究を目指す。
次世代の水素エネルギー社会の実現に向けて、本研究室では、高温・高圧といった極限環境下におけるその場計測技術の開発に取り組んでいます。併せて、水素と金属材料の極限環境下での力学的・化学的挙動を系統的に解明しています。さらに、最先端の構造解析・物性評価技術を融合させることで、水素と材料とのマルチスケールでの相互作用を深層的に理解し、将来の水素エネルギー利用に資する科学的基盤の構築を目指しています。
機構解明に基づく合金開発は、次世代のエンジニアリング材料を創出するための重要な手段です。本研究では、第一原理計算を用いて、新規合金組成の耐酸化性および水素脆化抵抗性を評価します。東北大学がMASAMUNE-弐次世代スーパーコンピュータの計算資源を活用し、各種合金元素が材料の本質的特性に及ぼす影響をミクロなスケールで詳細に解明します。さらに、微細構造解析との連携により、実験と計算を相互補完的に活用し、次世代の高温合金の開発を推進します。